Gross 2013 Handbook of emotion regulation (Ed. 2nd)

この本は感情制御研究を多面的に捉えるときに,非常に有用 (感情制御論文で引用されることも少なくない) なのですが ,まだ日本語版が出版されていないようです (?)
そこで,Handbook of emotion regulationを少しずつ読み進めていき,感情,および感情制御に関して議論できればと考え,企画してみました。

Google group のメーリスで開催予定などの情報共有しておりますので,メーリスの参加希望などありましたら,お気軽に 小林 (rkoba1993 [@] gmail.com) までご連絡ください。
Skype形式などで問題なければ,遠方の大学の方でも,ご参加いただけます。

第1回 (2018.2.2)

◆発表内容:1章 Emotion Regulation: Conceptual and Empirical Foundations
・感情制御のモデル:感情制御の基礎について
・代表的な感情制御方略の紹介
◆資料:https://www.slideshare.net/RyotaKobayashi2/1-87154652

第2回 (2018.10.30)

◆発表内容:20章 Three approaches to individual differences in affect regulation: Conceptualizations, measures, and findings
・感情制御の個人差を測定する方法
・感情制御傾向を測定する方法 (主に尺度) について
・感情制御能力を測定する方法について
◆資料:https://www.slideshare.net/RyotaKobayashi2/2-115583557
◆資料に記した尺度のリストを作成しました 【jpeg

第3回  (2019.3.20)

◆発表内容
・小林 亮太:32章 Mindfulness Interventions and Emotion Regulationslide
→ 感情制御のプロセスモデルにマインドフルネスを落とし込もうとする取り組みの紹介

・李 受珉:34章 Early-Life Socioeconomic Status, Emotion Regulation, and the Biological Mechanisms of Disease across the Lifespanpdf
→ 社会経済的地位が低い人々に対する感情制御 (shift-and-persist strategies) の有効性について

・本多 樹:(研究紹介) 感情制御と内受容感覚の関連
→ 感情制御と内受容感覚の関連に関する先行研究の紹介,および研究計画について紹介する

第4回 (2019.12.11)

◆発表内容
・小林 亮太: 感情制御 入門編 -代表的なモデルと関連要因の紹介-slide
→ 感情制御に関する基本的な知識からそこそこ新しい知見までを紹介してみます
→ 第1回の発表内容 (Handbook of emotion regulation (2nd) 1章) を改定しつつ,増量した感じです
→ 感情制御やストレスコーピングの初学者さんの足がかりになればと思い,作ってみました

・本多 樹: 感情への気づきと感情制御の関連について考える
→ 様々な理論において,感情への気づき (emotional awareness) は感情制御を促進する要因であると考えられている。しかし,先行研究を概観すると感情制御との関連は一貫していない。本発表では,感情への気づきの定義や測定方法,感情制御との関連を紹介し,あらためて感情への気づきと感情制御の関連について考える。

・河原 剛: 30章 Regulation of Emotion through Modification of Attention slide
→ 注意バイアス修正法 (Attention Bias Modification) の紹介
→ 感情制御が低下していると考えられる様々な精神疾患において,特有の注意の偏り (Attentional Bias) が見られることが報告されている。近年の研究では,この注意の偏りを修正することにより感情制御を促進しようとする動きが見られる。本発表では,注意の偏りを修正する注意バイアス修正法の研究を紹介し,注意の偏りを修正することと感情制御との関連について考える。