内受容感覚関連の研究をしているときに,fMRIでデータを集める機会に恵まれました。
そうした研究の中で,個人ごとに課題中の特定脳部位の活動をMarsBaRなるもので推定して,課題成績と関連を見ることがありました。
MarsBaRの使い方については,↓の参考文献にまとめたように,日本語のわかりやすい解析記事が多数あります。
ただ,僕がやろうとしていた先行研究で報告されている脳活動の座標に基づいて,ROIを指定し,そのROIの活動を抽出する方法について直接的に触れたものがなかったので,ここに一応まとめておこうと思います。
※MarsBaRのインストール方法は日本語解説などもあったので,今回は省略しています。
※脳画像解析はかなり初学者なため,ミスしている可能性も高いので,ご注意ください。
■ MarsBarによるROI解析の大まかな流れ
- ROIの作成
- ROIの活動値を抽出するfMRIデータの指定と推定
- データのエキスポート
■ 1. ROIの作成
- MarsBar 初期起動画面 > ROI definition > Build
- Type of ROI > Sphere (ここはVoxelでもなんでもOKのはず。今回はSphereを使用。)
- Center of Sphere (mm) > X座標 Y座標 Z座標 の順でROIの中心座標を入力
- Sphere radius (mm) > 球の半径を入力 (論文にない場合などは球の体積の公式から逆算できる)
- Description of ROI > そのままでOK (解析には影響しないはず)
- Label for ROI > そのままでOK (後から変更可)
- 保存する
■ 2. ROIの活動値を抽出するfMRIデータの指定と推定
- MarsBar 初期起動画面 > Data > Extract ROI data (full options)
- 「1. ROIの作成」のところで保存したROIを選択する (複数選択可※1)
- Use SPM design? > NO
- Modality of images to scale > Other
- No of Subjects > このあと指定する参加者 (データ) の数を入力 (今回は1で進める ※1)
- SPMで1st levelの処理をしたあとの,” con_XXXX.nii ” ファイルを指定する (複数選択可※1)
- Scaling from > Raw data
- Scale grand mean to (0=raw) > 0
- 計算が終わると以下のような画面が出力される
※1 ROI,Subject,指定conデータ ともに,指定した順番で結果が出力されていくはず
■ 3. データのエキスポート
- MarsBar 初期起動画面 > Data > Export data
- Export what? > Summary time course for region
- Export to? > 好きな形式を選択
- 指定したROIにおける脳活動値が出力される
■ そのあと
今回は,ある課題中のROIの脳活動の程度と課題成績の関連を検討することが目的だったので,■3-4 で出力される値を全参加者分用意しました。その上で,課題成績との相関を算出して検討を行ってみました。この結果についてもいずれどこかで触れられればと思います。
■ 参考文献: 日本語のMarsBaRの解説記事など
- 【公式サイト】http://marsbar.sourceforge.net/
- https://langlearning.000webhostapp.com/marsbar/
- http://azcog.blog.shinobi.jp/%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%A4%E3%82%8A/%E3%81%AD%E3%81%93%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8Bfmri%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%81%9D%E3%81%AE5%EF%BD%9Eroi%20analysis%E7%B7%A8
- https://seesaawiki.jp/w/weidows95/d/ROI%B2%F2%C0%CF%A4%CB%A4%AA%A4%B1%A4%EBROI%A4%CE%C0%DF%C4%EA%A4%CE%BB%C5%CA%FD
- http://www.is.doshisha.ac.jp/isreport2/wp-content/uploads/2014/09/2014082201-obuchi.pdf